• kijomitsuru

石フェチ、そして爪フェチ

私はお洒落では無いし、お洋服のショッピングにもそこまで興味がないのだけれど、そんな私の心をいつも掴んで放さないものがある。

それは、マニキュアとアクセサリー。

アクセサリーの中でも、特にピアスが好き。

爪と耳をこれらで飾れば、味気ない黒ワンピースやデニムのパンツも、なんだか少し素敵になって仕舞う。(と、私は信じている)



ヨーロッパに1年住んで増えたもの……本当は荷物を増やすつもりは更々無かったので、"増えてしまったもの"と呼んだ方がい良いか、、、

それは、食器でも服でも家具でも各国のポストカードでもなく、、ずばりマニキュアとピアス達だった。(うひゃー)

あちらのドラッグストアには、それはもう絵具売り場の如く色ーんな色のマニキュアが並んでいるし、1つ3ユーロとかでドンピシャに好みなやつが売ったりしちゃってるもんだから、、そりゃあ増えちゃうわよね奥さん。


写真:ボルドーとカーキの組み合わせも好き



私はいつも旅に出るとき、旅先をイメージした色を爪に塗る。例えば私の中で、パリに行くなら爪は絶対ボルドーって決まってる。今のところね。でもこれはきっと歳を重ねるにつれ変わっていくのだろう。今の私には、何故かパリにはボルドーが気持ち良い。


宝塚現役時代、出演作の日程の関係で、ラッキーなことに1ヶ月半の"棚ぼたお休み"を頂いた。そのとき私はそのうちの1ヶ月を使って長めの一人旅に出たのだった。インスピレーションを沸かせる旅と称して。行き先は、フィンランドとスコットランドだった。

当時私はばりばり現役の男役だったから、「ネイル」なんてものとは全くご縁の無い世界に生きていたし、そもそも全く興味も無かったのだけれど、この記念すべき一人旅の行き先が決まった途端何故か「あ、ネイルをして旅に出たい」と思ったのだった。

それは、なんとも説明しにくいのだが、「普段は男を演じいるのだから女の子に戻ってお洒落したいわ!」とかっていう様なものでは全然無くて、例えて言うならば、「さてスーツケースの中には何を詰めよう?あ、冬のラップランド(フィンランドの北の地方)に行くのだからスキーウェアはマストだぜ」的な、"この旅を盛り上げるための無くてはならないアイテム"みたいなものだった。


爪にのせる色は、頭の中でもう決まっていた。北欧のイメージ、北欧の美しい街並みや景色、そしてどんな可愛い北欧雑貨にも似合う色、、、

それは私の中で絶対に"グレー"だった。




旅に出る前日、つまり飛行機に乗る前日の夕方、私は梅田の雑居ビルに入っているネイルショップに産まれて初めて足を運んだ。

「いらっしゃいませ!」と、笑顔のお姉様方に迎えられ、少し興奮したのを覚えている。

別に悪いことをしている訳じゃない筈なのに、そわそわ、むずむずする感じ。なんだかいけないことをしに来ちゃった感じ。男役って本当に凄く不思議な生き物だと思う。

______例えば髪を切りに行くと、美容院で雑誌を渡されるでしょう?それを私は13年間、スカートのページは全てパラパラととばして読み続けた。何も考えず、ただただ"とばす"のだ。だって関係なかったから。プライベートでスカートを履く機会なんて無かったから。。。これが当たり前って、今思うと本当に凄い。タイムマシーンで戻って、美容室に潜入して、スカートのページを冷静にとばしながら雑誌を読んでいる自分のところへ行って、頭をよしよししてあげたい。)




話を戻そう。



私が担当のお姉さんに、グレーにして欲しいのだと伝えると、彼女は少し驚いたような顔をして

「え、グレーですか、、一色で良いんですか?」

と私に問うた。

「はい、お願いします」

と私は答えて、早速、私の人生初ネイルの"施術"が開始された。

娘役諸君や世の中のお姉様方は、いつもこんなに時間とお金と手間がかかる事をやっていたのか、すごいなあ等と感心しながら2時間程が経ち、私の10枚の爪たちは見事、美しいグレー爪へと変化したのだった。



飛行機に乗りながらも「この色は北欧に似合うだろな〜」と予想はしていたが、実際にフィンランドの地に降り立ち、目に飛び込む景色、触れた食器…例えば気になって入った、ザ・フィンランドなカフェで食べたシナモンロールのお皿、ふらっと入ったセンスの良い雑貨屋で出会ったキャンドルホルダーやテーブルクロス、、、街歩きで気になって入る個性的な教会達、ヘルシンキの美しい海沿いを走る路面電車、ラップランドの雪景色に映えるログハウス、その中で焚かれる暖炉の火、オーロラ、、、全ての物に驚くほどマッチしてくれたのだった。







自己満足というのは、人生を楽しくする為に絶対に必要だ、と私は思う。真冬に履く分厚い靴下の下に、誰にも見せる機会が無くても好きな色のペディキュアを塗る。タートルネックの下にお気に入りのネックレスを忍ばせる。自分の為だけに作ったご飯のテーブルコーディネートを完璧にする、、なんだって良い。誰かに見せる為に頑張るのも楽しくて大好きだけど、自分だけしか知らない"秘密"をニヤニヤしながら一人満喫するのも最高である。



写真:ミコノス島の海をイメージしたらこの色に辿り着いた。普段なら絶対に選ばないこの色を塗り、気持ちが躍った




アクセサリーは。もうね。

エジプトだか古代ローマだか、はたまたギリシャだか中国四千年の歴史なのか何なのか知らないけれど(いや調べれば分かるのだろうけど)、最初に作った人、いや作ってくれたお兄さまかお姉さまは本当に本当に天才だと思う。そしてありがとう。

私は、本当に気に入った物しか身に付けない人間なのだが、気に入ったものはとことん愛用し続ける。愛用するからには、出会い方もとっても大事。

よく、路面とかで手作りのアクセサリーを売ってるお店なんかがあるじゃない?ああいうの、大好き。ボロボロの、でも洒落た色合いの布とか絨毯を道端に雑に敷いて、その上に自分の作ったアクセサリー達を、これまた雑にバラバラっと並べてるお爺さんなんかがいると、絶対に覗いてしまう。そして極々たま〜に、運命の出会いが有る。


写真:カレル橋の上で覗いたアクセサリー屋さん。そのちっぽけな"店"のご主人は超セクシーなお爺ちゃんだった。私はまんまと、濃緑の石ピアスとブレスレットをセットで連れ帰ってしまった。(爺ちゃんがセクシーだったからつい!とかではないです)



写真:「袋に入れるかい?」とセクシーお爺に聞かれ、「今すぐ付けたいから袋はいらないよありがとな!」と答えてすぐに装着し、躍る心で街歩きを続けた。

(プラハ、カレル橋にて)



写真:短い旅でもアクセサリーは必需品。

(あと残りの荷物は替えの下着と歯ブラシのみだったりする)



写真:少し前までは一切興味が湧かなかった、アジアンテイストなアクセサリー達。早く夏になあれ。ノースリーブのドレスを着て、君たちを早く纏いたいよ。




写真:小さな町の小さな店で、こつこつと手作りアクセサリーを続ける、超格好良いお姉さんのお店にて(イタリア、チェゼーナ)



写真:旦那さんのお婆ちゃまから譲り受けた大切な大切な指輪。これをお守りに、人生初めてのドラマ撮影に参加した。(ドイツ、ケルンにて)



写真:イギリスの最もスピリチュアルな場所(これについてはまた詳しく話すのでお楽しみに、、、たぶん)にて、絶対にここでしか塗らない様な紫を塗ったり(私の中でのグラストンベリーのイメージ)、トルコの石をつけたりして自己満足を思い切り楽しんだ。写真には写って無いけど、確か首元も石だらけだった。(イギリス、グラストンベリーにて)



天然の指輪〜



写真:鞄には普段全然興味ないのだけど、個性的なその姿に、ついつい持って帰りそうになりかけた鞄達。ふう、危なかったー。皆はどの子が好き?




面白いな人生ってのは、、って思うのは、自分の好きな物とか色んなものの価値観がどんどこ変わること。

20歳の頃「え、ダサーい!」なあんて言ってた物なんかが急に格好良く見えてきたりする。今大好きなモノも、もしかしたら5年後には大嫌いになっているかもしれないのだ。それって本当に面白い。

そうなったらそうなったで、どんどん趣味をチェンジして、どんどん好きなものを増やしていけば良い。



あらやだ、そろそろ手先のマニキュアも剥げてきたことだし、塗り直そうかしら。

さーて、お次は何色を塗ろうかな?



皆も、自分の好きなことを、自分の為にやってみてあげてね。

そして、どんどんわくわくしちゃって下さいまし。



また緩々とupしまーす

今日も読んでくれて、本当にありがとう。

🙏🌎